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とにかく気まぐれに書きたいことを書くブログ。
この間、とても悲しいことがありました。 知ったばかりの良いお店が、数日後には閉店の予定だったのです。 今では閉店してしまったそのお店の名前は「鳥ぎん」、祐天寺の釜めし屋さんでした。 あれは、立地が悪すぎたのかなあ……何せ商店街の一番端っこで駅とは反対側、しかもビル内店舗でかつ看板も目を引くものではなく。私も、事前の情報がなければ気付くことはなかったでしょう。 しかしながら、見た目は目立たなくともその味は記憶に長く残しておくにふさわしく、こうして記録に残しておくことにしました。 まず頼んだのは五目釜めしと鳥の煮物でしたが、何がいいって下ごしらえと基本の調理が本当にしっかりしていることでした。 五目のそれぞれにつけられた下味は濃さは完璧、辛くもなくくどくもなく、しかしご飯に隠れてしまうこともなく。それに、うまみも一辺倒ではありませんでした。ご飯と具が一緒の味つけになってしまわず、具のそれぞれに別の下味が染みこませてあったのだと思います。また、それぞれ適度に固さも残してあり、ご飯の歯ざわりの絶妙なアクセントでした。 そして火の通し方も見事の一言。鳥の煮物の大根は芯すら残さず出汁をしっかり含んでいて、なのに煮崩れなど一切なく、かと言って柔らかすぎることもなく。「固さ」を歯に感じさせながらもそれが歯に抵抗と感じることがない、何とも言い様のない絶妙な加減でした。 この真面目な仕事ぶりと、食べていてわかる材料の真っ当さからこれはと感じ、メニュー内に見かけた焼き鳥(正肉)も追加注文してみました。するとこれが、滅多にないほどいい鳥肉。何と言っても肉の甘味が違いました。また、焦げ目部分がこってりしすぎることもなく、たれの焼き鳥としては信じられないほどすっきりした後味。炭火で焼くと時に煙の香りや焦げて濃縮された味つけがこってりし過ぎると感じることがありますが、全くそんなことはありませんでした。 ご主人夫婦の人当たりもよく、初顔の私がちょっと話しかけてもしっかりと相手をして下さり、完全に満足したお店でした。ちなみに値段の方も、「もっと高くてもいいかも」と感じるくらい。 ああ、あんなお店があの一度きりとは何と悲しい……その記憶が薄れてなくならないよう、せめてここにこうして書きとめて残しておきます。 ……と言うばかりでは、「お前の思い出話なんぞ聞きたくないわ、これじゃ情報として役に立たないじゃんよヴォケ」と言われそうですので追記。実はこの祐天寺、一部では非常に有名なカレー屋「ナイアガラ」を初め、ちょこちょこと名店が隠れています。自分の足と嗅覚を頼りに休日歩いてみると非常に面白い場所ですよ。 PR
はい、今回は白黒時代、1930年代のアメリカが舞台の、同名の小説を原作にした洋画です。
主人公の男「ジョード」が刑務所から帰ってきてみれば、小作農の家族は地主に追い立てを受けていて、やがて土地から離れざるを得なくなり、働き口を求めて旅をするもその途上では……と言うお話。 土地の荒廃と労働の機械化、そして資本主義の大規模化が追い立ての背景にはあり、ジョードとその家族は「抵抗しようにもどこに本体があるのか判らない力」に翻弄され尽くすことになります。 基本的に、どうしようもないくらい暗い話です。労働者を描いた、いわゆる社会派映画ですから。しかし、これは間違いなく時代を超えた大作のひとつです。今も昔も労働問題の根本は変わらず、労働者が自分達の生活を守るのにはどうすればいいかと言うのも変わらないんだな、と痛感させられます。もちろん、今の日本の経済はアメリカに強く影響を受けているのでより身近には感じられますが、おそらく洋の東西でも基本の図式そのものは変わることはないでしょう。たぶん社会主義の中でさえも、人の権力に順位がある限り。 作中では演出のためだけに不自然なほど強調された場面が描かれることはなく、単純な「一人の巨大な悪人」と言う図式も否定され、あくまで淡々と社会そのものの悲鳴と、その中では砂粒ほどに小さい個人の心の動きが丁寧に描き込まれています。だからこそ、登場人物の心情がよく判り、物語に深く移入できます。まさに名作と呼ぶにふさわしい出来でした。 白黒時代やカラーになったばかりの映画には、色々侮れないものがあります。最新の貸し出しコーナーには並んでいないかと思われますが、奥まったコーナーを探して見てみるのもたまにはいいんじゃないでしょうか。 名前を聞いてはいたけど、原作の方も読んでみようかな……。
さて、本日は神田連雀町の「近江屋洋菓子店」をご紹介。
まず、この店に言いたいことがひとつ。けしからん! いやー、今どき値上げもせずに、タルト一切れ210円で材料も味もまっとうだとか、もうちょっと値上げしても全然バチ当たりませんよ?それでいて店内は常に清潔が保たれて居心地良く従業員もいい人ばかりで、飲み放題500円を頼んだらカウンターの向こうで100%果物だけミキサーにかけて作っているのが見える果物ジュース数種類にバナナミルクにチョコミルクに紅茶に、おまけにボルシチ飲み放題って無茶苦茶もいいとこです。むしろあれで経営が成り立つのかといつも心配なくらい。 日曜日以外にはパンも売っているのですが、ポテトサンドやピロシキがまた素晴らしい。特にピロシキなど、皮と中身の割合が2:8を確実にオーバーする素晴らしい中身の入り具合に加えて味も非常に良い。油っこくはあってもぎとぎとしてないし。 洋菓子の方では、果物の酸味とタルト部分の味の調和をうまく保っているタルト類もいいですが、一番のお薦めはやはりアップルパイ。林檎と皮の味のバランスは見事の一言、かつ皮だけでもバターの香り高く、よく焼けていて文句なし。 大通りに面しながら積極的に探さないとうっかり見落とす飾り気のない出入り口のこのお店ですが、住所を探して行ってみるだけの価値はあります。この店のあり得ない商売、きっと皆さんの度肝を抜くでしょう。 ただし、大勢でぞろぞろと行き過ぎないようにご注意。人が多すぎると失われる良さと言うのも、また確かにあるものですから……。 |
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