とにかく気まぐれに書きたいことを書くブログ。
これほど(色々な意味で)やらしい主人公見たことない。そんな褒め言葉が思わず飛び出してくるアニメです。

文明がほぼ壊滅状態になった未来、文字通りの東京「砂漠」で人類が懲りもせずに弱肉強食の争いを繰り返す、そんな舞台で、がめつくてスケベで徹底的に生き汚い便利屋の主人公が色々する話なのですが、東京砂漠での人々の生活の描写が実にしっかりしています。正義感なんて最初から最後まで欠片ほども見せなかった主人公がこの世界に「ふさわしい」人間なのだと言うことが実にスムーズに納得できました。

とは言うもののコミカル色も強く、人間という種族のどんなにひどい目に遭わされても「懲りずにまた這い上がる」ところや、逆に怒る気もしなくなる愛嬌じみた間抜けさがあいまって、最終的に全体がただのダークではなく実によく出来たブラックジョークに仕上がっています。また、何と言うか、人間臭さが虚構の虚構感を見事に打ち消しています。

照れず逃げずに主人公の「当たり前」ド外道さかつ人間臭さを描ききったのは見事の一言でした。そして、「そういう考え方をしない」人々をちゃんと出し、そちらを「個人の価値観以上でも以下でもなく、世界に無理矢理後押しさせたり必要以上に迫害させたりしなかった」のもまた見事。
作者の「世界はこうでなきゃ」って主張をキャラに無理に行わせようとして世界観や物語全体をぶち壊してしまう例はアニメに限らず星の数ほどありますが、砂ぼうずに関してはそれは全くありませんでした。回ごとの脚本のぶれも覚えている限りありません。まあ、原作つきアニメですから普通はそうでしょうが。

勧善懲悪が好きな方には絶対お薦め出来ない。でも、詐欺師どうしで今日もまた繰り返される愉快な殴り合いをゲラゲラ笑いながら楽しめる人には是非ともとお薦めしたい、砂ぼうずはそんなアニメです。興味のある人はちょっと情報を調べてみて下さい。作品の完成度自体は素晴らしく高いですから。
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