とにかく気まぐれに書きたいことを書くブログ。
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今日は、マッグガーデンより刊行の、富士宏さんの「城物語」について書いてみる。

読んだ感想。「パイロット版だけで終わらせないでー!」(悲鳴)
中世ドイツの城と騎士を扱った物語ですが、いわゆる華やかな騎士道とは基本的に縁遠い、田舎の小領主の話です。

鍛冶屋の息子として育った伯爵のご落胤が伯爵のもとに呼び出され、騎士叙勲を受けて「モルゲンベルク」の領主に任命され……と、オープニングの字面だけ聞けば華麗なサクセスストーリーなのですが、そこは富士宏さん。この時代の城と騎士に関して細かく調べていて、実に実際的な、生活感の溢れるストーリーを構築しています。

城主とは言っても城の実際の持ち主は伯爵であって、この場合の城主とは契約によって使わされた城砦守備員。派遣社員内で役職が高いようなもので、他の騎士達と本質的な部分では違いがなく、それほどの強権は持ちません。また、城の騎士たちを実質的にまとめている三人の歴戦の騎士はそれぞれがかつてその地方の代々の小領主であり、独立の気風が強く残っていて、ただでさえ騎士になりたての若造でもある城主の命令を簡単に聞いてくれたりはしません。

しかも、前の城主が城を出る際に城の貯蔵金を全て持って行ってしまい、あまつさえモルゲンベルク城の目と鼻の先には領地を巡って抗争中の別の城。こんなどうにもならない状況をこつこつと立て直そうとする所から物語が始まります。主人公の城主は育ての親が何とか工面してくれたお金で高い教育を受けていて頭は良いのですが、それでも孔明のごとく、と言うわけではありません。問題を誰よりもうまく解決出来る天才的な頭脳の持ち主ではないのです。たった数人の直属の部下や幸運にも支えられてようやく現状をしのぎつつ先へ、と言ったところです。

そして、どうにかこうにか騎士達の信頼を勝ち取って、さあ次の難題をどうこなすのか……と楽しみでならない所で物語は終了してしまいます。そこまでで連載先の出版社が倒産したのだそうで……(涙

もし受付があれば月の浮き金の半分くらいなら喜んで毎月でもカンパします。富士宏さん、どうかこの話の続きなり、同じコンセプトでの新規の作品なりを描いて下さい……。

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