【修学旅行～星の海を揺蕩う 宮古島スターライトシー】仮プレ

【あかいくま】【b】

インストラクターさんも驚く位シュノーケルを自然に使いこなし、泳ぎは静かに滑らかに、まるで魚の様。

「実は、訓練は受けておりましてね。ただ少々邪道と申しますか…人様に気付かれぬ為の忍びの泳ぎですから。最早習い性ですが…」

余りに静かに泳ぐ度、深い宵闇に溶けて行くかの様。

「はい、此方に…」

寺見さんに応える声にも波はなく、まるで彼岸の影。かと言って陰鬱ではなく、体は脱力して心地良げに、瞳は海中の星々を過ぎり息継ぎの海上で空中の星々を見上げる度に、その一瞬一瞬全てにシャッターを切っているかの様に燃え煌きます。

「ああ…素敵ですねえ。ツアーでなければ明日の朝までこのまま泳ぎ通すのですが…」